オーストリア・グラーツにおける居住許可取得までの道のり(入国後編)

生活

 前回の【前編】では、オーストリア・グラーツで居住許可を取得するにあたって入国前に準備しておくべき書類や手続きについてご紹介しました。今回はその【後編】として、入国後に必要となる書類の準備と、実際の居住許可申請の流れについてお話しします。

 

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 まず、居住許可に必要な書類で国内で準備が必要な書類のうち、国内で準備が必要な書類は以下の通りです。すべての書類は英語かドイツ語で準備する必要があります。これらの準備については前回の記事をご覧ください。

  • 申請書
  • パスポート(ビザ付)
  • 滞在期間をカバーする旅行保険或いは公的保険
  • 戸籍謄本(アポスティーユ・公認翻訳付) 家族同伴の場合、出生証明書(子がいる場合)と結婚証明書(配偶者がいる場合)の代替として戸籍謄本を利用することおになります。
  • 無犯罪証明書(アポスティーユ付)
  • 資金・収入証明 資金証明の英訳は口座の入出金履歴をgoogle翻訳で英訳すれば大丈夫です。

入国後に準備が必要な書類

入国後、居住許可の申請を行うにあたって新たに揃えなければならない書類は以下の通りです:

  • 不動産賃貸契約書
  • 住民登録証明書
  • 公的保険証明(あるいは旅行保険)
  • (子供がいる場合)通学証明書
  • (就労ビザの場合)労働契約書(※職場によって異なるため本記事では割愛)

ここでは、労働契約書を除いた4点について詳しく解説します。


1. 不動産賃貸契約書

居住許可の申請には、不動産の賃貸契約書のコピー提出が必要です。これは申請者が「十分な生活資金を持っているかどうか」を判断する際に、家賃が資金基準に含まれるためです。

たとえば、月々の家賃が1,000ユーロであれば、年間で12,000ユーロ多くの資金を保有している必要があります。こうした計算の基準となるため、賃貸契約書の提出が求められます。

なお、オーストリアの不動産契約には日本にはない慣習や注意点が多々あります。これについては別記事で詳しくまとめていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。また、賃貸契約までの道のりという記事も掲載しておりますので、是非ご覧ください。


2. 住民登録証明書(Meldezettel)

オーストリアでは、引越し後3日以内に住民登録(Anmeldung)を行う義務があります。登録を行うと、「住民登録証明書(Meldezettel)」が発行されます。この書類のコピーも居住許可申請時に提出が必要です。

住民登録の流れや注意点についても、別記事で詳しく説明していますので、あわせてご確認ください。


3. 公的保険(または旅行保険)

申請時に提出する保険の種類は旅行保険またはオーストリアの公的保険(GKKやBVAEBなど)のいずれかで構いません。ただし、公的保険の方が割安かつ安心感があるため、多くの方が入国後に加入してから申請に臨んでいます。

公的保険を利用する場合、保険加入証明(ソーシャルナンバー付き)を提出します。審査官はこのソーシャルナンバーを用いてシステム上で保険加入の有無を即時確認します。そのため、まだシステム登録が済んでいない場合は、審査が保留になることもあるのでご注意ください。

私のケースでは、実際に保険には加入していたのですが、システム上で一度うまく表示されず、「君のデータが見つからないな」と言われて一瞬ヒヤッとしました。しかし、最終的には審査官の見落としだったことが分かり、事なきを得ました。

BVAEBの保険取得手続きについても別記事で詳しく解説していますので、必要な方はそちらも参考にしてください。


4. 通学証明書(Kinderbestätigung)

この書類については、公式サイト等には一切記載がありません。しかし、子供が義務教育年齢である場合は、後日通学証明書の提出を求められるケースがあります。

私の場合も面談時に「通学証明書を後日提出してください」と言われました。オーストリアでは日本同様、子供の就学義務があり、これを確認するためのものです。


居住許可申請の流れ(グラーツの場合)

一通りの書類が揃ったら、いよいよ申請です。グラーツでは以下の流れで手続きが進みます


ステップ①:書類提出(メール)

すべての書類を揃えたら、以下のメールアドレスに電子データ(写真でも可)を添付して送付します:

📧 aufenthalt@stmk.gv.at


ステップ②:面談日の案内

メールでの書類確認後、面談日時の案内が届きます。指定された日にシュタイアーマルク州庁(Landeswarnzentrale Steiermark)を訪れます。

※オーストリアの州庁はセキュリティチェックがあります。刃物類など持ち込み不可の物品にはご注意ください。


ステップ③:面談と指紋採取

面談は申請者本人(大人のみ)が参加します。指紋採取も同日に行われるため、必ず本人が出席する必要があります。子供は免除されます。

面談では最低限の語学(英語、ドイツ語)力を見られているとは思いますが、内容は申請に関する実務的な話なので、難しいことを話す必要はありません。

私の場合は:

  • 「通学証明書は後日提出してください」
  • 「あなたは保険加入はしているという事だけど、こちらのシステムに情報が出てこないなぁ」
    といったやりとりがありました。結局、審査官の見落としで保険加入は正常にできており、無事に次のステップに進めました。

ステップ④:申請料の支払い

 面談終了後、いったん退室し会計室で申請費用の支払いを行います。費用は一人あたり234ユーロでした。支払い後、再度審査官の部屋に戻って領収書を提示し、手続きは完了です。


 

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最後に

以上が、グラーツにおける入国後の居住許可申請の流れと必要書類についてのまとめになります。

 オーストリアでの居住許可取得には多くの手続きと書類が必要ですが、事前にしっかり準備しておけば、落ち着いて対応することができます。この記事が少しでもこれから申請を予定している方の参考になれば幸いです。

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