オーストリアの学童サービス「ABIservice」とは?利用方法と注意点まとめ

学校

 オーストリアに子どもとともに滞在する際、特に小学生のお子さんがいるご家庭にとって大切なのが「学童保育(アフタースクールケア)」の存在です。今回は、オーストリアの学童サービスを担う「ABIservice」について、利用方法や注意点をまとめてご紹介します。




1. オーストリアの小学校は午前中が基本!学童が必要なケースとは?

 オーストリアの小学校(Volksschule)は、基本的に午前中で授業が終わることが多いのが特徴です。日本と同様に、保護者が日中に仕事でお迎えができない場合や、子どもが一人で安全に帰宅できない場合は、学童サービスの利用がほぼ必須となります。

 この学童保育を提供しているのが「ABIservice」という組織です。学童では、子どもたちが午後の時間を安心して過ごせるように、昼食(給食)も含まれるなど、トータルなケアが提供されます。

 なお、学校によっては午後までカリキュラムが組まれているGanztagsschule(全日制クラス)があり、そのような場合は、学童サービスの登録が必須になることもあります。このあたりは、日本と異なる点として注意が必要です。


2. ABIserviceの登録と費用について

✅ 登録時期に注意:基本は1月ごろ

 オーストリアの学校年度は、毎年9月の第2週頃から始まるのが一般的です。そのため、ABIserviceへの仮登録は、原則として前学年の1月ごろまでに済ませる必要があります。(※一部地域や学校によって異なる場合あり)

 以下のサイトからKinderbetreuung + Schuleの項目から予約を進めていくことになります。まず1月に仮登録を行なってから、6月ごろに減額申請を行なうことになります。

グラーツ市の市民サービス https://www.graz.at/cms/ziel/7688125/DE

💶 学童の費用は手取り収入で決定される

 ABIserviceの学童費用は、世帯の年間手取り収入に基づいて決定(ABIserviceの学童費用表へのリンク)されます。ただし、登録直後は自動的に「最高額」が設定されるため、対応しないまま放置していると、利用日数によりますが月額で260ユーロ近く支払うことになってしまうケースもあります。

📝 減額申請を忘れずに!

 費用を適正額に抑えるためには、必ず減額申請を行う必要があります。具体的には、ABIserviceの事務所を訪問し、前年の収入証明書を提出することで、手取り額に応じた料金に調整されます。

例:

  • 最高額 → 約260ユーロ/月
  • 最低額 → 約90ユーロ/月

 つまり、提出しないだけで170ユーロ以上損をすることに…!この手続きは、学年ごとに再提出が必要になるため、毎年忘れずに行うようにしましょう。


3. 日本から編入する場合の手続き

 海外から、特に日本からオーストリアに転入・編入する場合でも、ABIserviceの学童サービスを利用することが可能です。ただし、その際にもいくつか注意点があります。

📁 必要な収入証明書

減額申請のためには、日本での収入を証明できる書類の提出が必要です。

代表的な書類:

  • 確定申告書(税務署の受理印があるもの)
  • 源泉徴収票(英語版があればベター

可能であれば、勤務先に依頼して「英語版の源泉徴収票」を発行してもらうと、よりスムーズに手続きが進みます。

👥 夫婦で渡航している場合は双方の収入証明が必要

 オーストリアでは、世帯全体の手取りで料金が決まるため、共働き夫婦の場合は両者の収入証明が必要になります。合算された手取り額で金額が決まる点にも注意が必要です。そのため、配偶者が主婦(主夫)の場合は源泉徴収票で扶養下である事を示すか、非課税証明書などを提出する必要があります。これらを提出できない場合は、ABIservice指定のフォーマットの宣誓書を提出することによって代替することができます。職員に直接問い合わせることで宣誓書のフォーマットをもらうことができます。

🛬 6月を過ぎての編入でも対応可能

「6月登録が必要」といっても、日本からの編入では必ずしもその時期に現地入りできるわけではありません。
その場合でも、編入先の学校からの案内をもとに ABIservice に連絡し、手続きを進めることが可能です。




📝 まとめ:早めの登録と減額申請がカギ!


オーストリアでの学童サービスは、仕組みさえ理解すればとても安心で便利な制度です。特に収入に応じた柔軟な料金設定や、学校との連携体制が整っている点は、日本との違いとして興味深いです

これからオーストリアで生活を始める方、または転入を控えている方は、早めに情報収集と手続きを始めて、スムーズな新生活をスタートさせましょう!

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