【体験談】オーストリア・グラーツで小学校に通うまでの道のり~移住前から通学開始まで、私たちが乗り越えたこと~

学校

 オーストリア・グラーツに家族で移住するにあたり、やはり一番気がかりだったのは子どもの学校でした。特に小学校は言葉の問題や教育システムの違いもあって、最初は不安でいっぱいだったのを覚えています。

 今回は、実際に我が家がグラーツの小学校に通学を始めるまでの道のりを、細かくお伝えしたいと思います。これから移住を考えている方の参考になれば嬉しいです。

ヨーロッパ交通を予約するならOmio 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 ハワイ旅行・ハワイツアー 【エアトリ】

■ オーストリアの小学校制度は日本よりも厳しい?

まず、オーストリアでは小学校(Volksschule=VS)は4年制。5年生以降は中等教育(ギムナジウムなど)に移行します。

 ここで驚いたのは、日本のように「年齢=学年」とは限らないこと。というのも、オーストリアでは成績不良だと1年生からでも普通に留年するんです。しかも、それが珍しいことではありません。特に外国人の子どもは留年するケースが多く、実際に現地の学校でもよく聞く話です。

 でも、これには裏もあり、逆に言えば子どもの語学力や理解度に合わせて、柔軟に学年を選べるというメリットがあります。

 例えば、年齢的には5年生(ギムナジウム)であっても、ドイツ語に自信がなければ、あえて小学校4年生に入ることも可能。どの学年に編入するかは、先生と相談して決められます。


■ 小学校の探し方と事前の準備

 我が家の場合は、移住前に現地を訪れる機会があり、その際にグラーツ市内のいくつかの小学校を直接訪問しました。持参したのは、次のような内容をまとめた簡単な資料です:

  • 子どもの年齢、性格、趣味
  • 日本での学習進度
  • 語学力(ドイツ語・英語)
  • 特別な配慮が必要かどうか

 その場で軽くプレゼン形式で説明したのですが、どの学校も前向きに受け入れを検討してくれました。「年齢にとらわれず、その子に合った学年を一緒に考えましょう」というスタンスでした。

 なお、オーストリアでは毎年1月頃に翌年度の入学申請・調整期間があります。できればその前のタイミングで動くとスムーズです。実際、私の子供もこの時点で1学年下げることが決まりました。


■ 文房具は日本で用意するのが正解!

そして、実際に通学の準備を進めていく中で、強くお伝えしたいことがあります。それは……

オーストリアの文房具は非常に高い!です。

新学期が始まる前に、学校から必要な文房具一式のリストが送られてきます(ハサミ、クレヨン、ノート、定規、フォルダー、絵の具セットなどなど…かなりの量です)。ただ、これを現地で全て揃えようとすると非常に高額になります。たとえば日本で100円くらいのノートが、グラーツでは数ユーロすることも。そのため、できるだけ日本で必要な文房具は買い揃えて持ち込むことを強くおすすめします。リストは事前にもらえることが多いので、荷物に余裕があれば忘れずに!


■ 移住後の手続きと通学開始のタイミング

オーストリアの小学校は、毎年9月第2週から新年度が始まります。このタイミングで移住できるととてもスムーズです。移住後は、学校に出向いて正式な通学申請を行います。このとき、以下のような手続きが必要になります:

  • 公的健康保険(ÖGKなど)への加入
  • 子どもの保険番号の通知
  • 家族手当(Familienbeihilfe)の申請
  • ABIservice(学童)への支払い手続き

 また、学校によっては音楽・スポーツなどのクラブ活動も用意されていて、希望すればこれらにも参加可能です。クラブの申請もこの時期に行うのが一般的です。

 そして日本と同じく、PTAもあります!しっかりと会費も徴収されますので、そのつもりでいてくださいね。


■ 通学のスタイルと「Inner Schulenチケット」

 グラーツの小学校は1学年10人程度の小規模校が多く、より少人数の学校も珍しくありません。学校の数は多く、地域ごとに細かく設置されている印象です。通学には徒歩またはトラム(市電)を使うケースが多く、治安も良いため、高学年になれば一人でトラム通学も普通に行われています。

【Inner Schulenチケットとは?】

 通学範囲内で使用できる、年間通学用の交通チケット(Inner Schulenチケット)があります。自宅と学校の間の通学だけに限定される代わりに、20€で利用できる制度です。

ただし、利用には以下の条件があります:

  • 居住許可の取得
  • 家族手当の受給開始

そのため、移住直後すぐには利用できないのが少し残念な点です。


■ 英語で学べる「VS SmartCity(Leopodium)」という選択肢も

グラーツには、唯一すべての授業を英語で提供している公立小学校「VS SmartCity(Leopodium)」があります。もし、英語で学ばせたいという希望がある方は、この学校の近隣に住むことを検討する価値は大いにあります。我が家は居住地から距離があったため断念しましたが、環境が合えばとても良い選択肢だと思います。


■ 学童サービス「ABIservice」について

 放課後の預かりをしてくれるサービスとして、「ABIservice」という制度があります。これも現地では一般的に利用されています。ただし、申請は通学開始後でも問題ありません。移住前に慌てて進める必要はないので、落ち着いてからでも大丈夫です。こちらの記事に申請方法をまとめていますので、是非見てください。


ヨーロッパ交通を予約するならOmio 日本最大級ショッピングサイト!お買い物なら楽天市場 ハワイ旅行・ハワイツアー 【エアトリ】

■ 最後に:学校生活が軌道に乗れば、子どもはどんどん成長する

ここまでくれば、細かい手続きや慣れは必要ですが、学校生活はだんだん軌道に乗っていきます

私たちも最初は不安でしたが、今では子どもが友達と楽しそうに過ごす姿を見て、本当にグラーツに来て良かったと感じています。


✅ まとめ:グラーツ小学校通学のポイント

  • 小学校(VS)は4年制、年齢と学年は連動しない
  • 留年は普通。編入学年はフレキシブルに決められる
  • 事前に学校見学+資料作成で受け入れはスムーズに
  • 文房具は日本で事前購入がおすすめ!(現地は高価)
  • PTAあり。クラブ活動も豊富。
  • 通学は徒歩・トラム。Inner Schulenチケットもあるが条件あり
  • 学童(ABIservice)は後から申請OK
  • 英語で学べるVS SmartCityも検討対象に

子どもの成長を見守りながら、家族みんなで少しずつオーストリアでの生活に馴染んでいけたらいいですね。
この体験談が、これからグラーツへの移住を考えるご家族の参考になれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました