ハルシュタットとは
私がオーストリアに来て、現地の人から最初に「ぜひ行ってみて!」と勧められた場所が、このハルシュタットでした。
オーストリアで最も有名な観光地と言っても過言ではなく、「世界一美しい湖畔の町」とも称されています。1997年には「ハルシュタット・ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観」としてユネスコ世界文化遺産にも登録されました。
ディズニー映画『アナと雪の女王』のアレンデール王国は公式にはノルウェーがモデルとされていますが、その街並みがハルシュタットによく似ていることから、非公式ながらモデルの一つではないかとも言われています。
ハルシュタットの歴史は非常に古く、紀元前から岩塩採掘によって栄えた町です。周辺では紀元前800~400年頃の鉄器時代の遺跡が数多く発見されており、この時代は考古学上「ハルシュタット文化」と呼ばれるほど有名です。ヨーロッパ史でも重要な地域の一つであり、現在でも塩鉱はハルシュタット最大の観光名所となっています。
(当ブログの記事をまとめたポータルページはここです)
Amazon.co.jp
あなたと一緒に作る海外旅行【トラベル・スタンダード・ジャパン】
アクセス
グラーツ方面からは電車+バス、または電車+船でアクセスできます。
バスで向かう場合
バスを利用する場合はObertraun Dachsteinhöhlen駅で下車し、そこからÖBBバス543・544系統でHallstatt Lahnへ向かいます。
私が利用した際は、大人2人で約9ユーロでした。



船で向かう場合
船を利用する場合はHallstatt駅で下車します。

駅のホームを降りるとすぐ船着き場があり、そこから湖を渡って町へ向かいます。
料金は一人4ユーロで、子ども料金の設定はありません。
船は基本的にザルツブルク方面から到着する列車に合わせて運航しているため、グラーツ方面から来る場合は少し待ち時間が長くなることがあります。

一方、バスは利用客が少なく、とても快適でした。料金もどちらもそこまで高くないので、自分の旅程に合わせて選べばよいと思います。
湖畔沿いの街並み
私はHallstatt Lahnでバスを降りて散策を始めました。
バスを降りると、目の前にはさっそくハルシュタット湖の美しい景色が広がります。その奥には町のシンボルでもあるEvangelische Pfarrkirche Hallstatt(福音派教会)が見え、いかにも「ハルシュタットに来た!」という景色が迎えてくれます。

Lahn周辺からは湖を周遊する遊覧船も運航されています。なお、Hallstatt駅から渡ってくる連絡船は町の中心部(Marktplatz付近)の船着き場に到着するため、Lahnとは到着場所が異なるので注意してください。

教会の方へ歩き、そのまま北へ進むとMarktplatz(マルクト広場)周辺に到着します。
ここがハルシュタット観光の中心地で、お土産店やレストラン、カフェなどが立ち並び、多くの観光客で賑わっています。

このエリアにはカトリック教会もあります。外観はとても立派ですが、中は比較的シンプルな造りで、落ち着いた雰囲気でした。
また、このエリアには木造の家屋が多く、これがまたアレンデールのような雰囲気を思わせてくれます。


さらに北へ歩くと、ガイドブックやポスターで必ずと言っていいほど使われているハルシュタットを代表するビュースポットがあります。

ここは町で一番人気の撮影スポットだけあって、多くの観光客が写真撮影を楽しんでいました。
山へ登ってみる
湖畔沿いの道からは、ところどころ山側へ伸びる細い坂道があります。
途中にはバインハウス(Beinhaus:納骨堂)があります。

『地球の歩き方』によると、ここには装飾された頭蓋骨が数多く納められているそうですが、私は「ちょっと呪われそうだな……」と思い、今回は見送りました(笑)。
さらに上へ進むと、そのままSalzberg(ザルツベルク)方面へ続くハイキングコースになります。
私は塩鉱までは登りませんでしたが、この上から眺める景色は非常に美しいことで知られています。
今回は登山道入口付近まで歩いただけでしたが、そこからでも湖と町並みを見下ろすことができ、十分満足できる景色でした。

体力に余裕がある方は、ぜひ塩鉱まで登ってみてください。
ハルシュタット名物・塩鉱
ハルシュタット最大の観光スポットといえば、やはり塩鉱(Salzwelten Hallstatt)です。
ただし、私が訪れた時期は昨年秋から続く再整備工事のため休業中でした。
当初は2026年夏の営業再開と案内されていましたが、7月末時点でも再開日は発表されておらず、現地では9月頃になるのではないかという話も聞きました。
塩鉱目当てで訪れる方は、事前に営業状況を確認することをおすすめします。
オーバーツーリズムについて
ハルシュタットは、美しい景観で有名である一方、オーバーツーリズム(観光公害)でも世界的に知られています。
私がハルシュタットへ行ってきたと話すと、現地の人から真っ先に聞かれたのが「混雑はどうだった?」ということでした。
実際、湖畔沿いの道は非常に多くの観光客で賑わっています。
ただ、この道は遊歩道ではなく生活道路です。
地元の車は慣れていることもあり、人混みの間をかなりのスピードで走り抜けていきますので、観光客側も道をふさいでしまわないよう注意が必要です。
また、住宅のあちこちには「Private」という表示や柵が設置されており、住民が私有地への立ち入りにかなり神経を使っている様子が伝わってきます。
実際に2023年には、オーバーツーリズムに抗議するため、住民が一時的に道路を封鎖して観光バスの流入に抗議したことがニュースになりました。
ハルシュタットは住民が暮らす町でもあります。
世界的な観光地だからこそ、静かに観光し、住民の生活への配慮を忘れないことが大切だと感じました。
食事
ハルシュタットはオーストリアの中でも特に物価が高い観光地です。
私が見かけたベーカリーでは、普通のパンが7ユーロ前後という価格で販売されていました。
スーパーでも、グラーツでは1ユーロ程度で売られている近隣のBad Ischl産の岩塩が3ユーロほどになっており、観光地価格を実感しました。
今回はBella Milanoというピッツェリアで昼食を取りました。
ピザは9~15ユーロ程度と、ハルシュタットでは比較的リーズナブルです。
しかもオーストリアらしく、一枚のサイズがかなり大きく、日本人なら二人でシェアしてちょうど良いくらいのボリュームがあります。
2人でシェアすれば、一人あたり6~8ユーロ程度で済みますので、食費を抑えたい方にもおすすめです。


(当ブログの記事をまとめたポータルページはここです)
Amazon.co.jp
あなたと一緒に作る海外旅行【トラベル・スタンダード・ジャパン】
おまけ情報:宿泊するならBad Ausseeも便利かも?
帰りのOBBに乗っていて気付いたのですが、Bad Aussee駅で非常に多くの観光客が乗り降りしていました。
最初は「こんなに人が降りるの?」と思ったのですが、調べてみるとBad Ausseeはザルツカンマーグート地方の拠点となる町で、ハルシュタットへのアクセスも良好です。
ハルシュタットは宿泊費がオーストリアでもトップクラスに高く、ホテルも早い時期から満室になることが少なくありません。そのため、比較的宿泊施設の選択肢が多いBad Ausseeに泊まり、日帰りでハルシュタットを観光する人も多いのだと思います。
実際に列車内の乗降客を見ていても、そのような利用をしている人が多そうな印象でした。
ハルシュタットで宿が取れない場合や、少しでも宿泊費を抑えたい方は、Bad Ausseeを拠点にするという選択肢も検討してみるとよいでしょう。
(当ブログの記事をまとめたポータルページはここです)
Amazon.co.jp
あなたと一緒に作る海外旅行【トラベル・スタンダード・ジャパン】
まとめ
ハルシュタットは、世界遺産に登録されているだけあって、湖と山、そして歴史ある町並みが織りなす景色はまさに絶景でした。
一方で、オーバーツーリズムという課題を抱えていることも実際に現地へ行くとよく分かります。観光客一人ひとりがマナーを守って観光することが、この美しい町を未来へ残していくことにつながるのでしょう。
グラーツからは日帰りでも十分訪れることができますが、時間に余裕があれば一泊して、朝夕の静かなハルシュタットを楽しむのもおすすめです。湖畔に映る朝靄や夕暮れの景色は、昼間とはまた違った魅力があります。

コメント