いよいよグリーンランドへ……と思ったら
搭乗時刻になり、いよいよ16時45分発のグリーンランド航空 GL775便でヌークへ向かいます。
前回の記事のとおり、空港内での出国審査はありませんでしたが、搭乗ゲートでは航空会社スタッフによるパスポートチェックがありました。
しかも、かなり丁寧(=厳しい)です。
私の場合は、
「どうしてグリーンランドのビザを持っていないの?」
と質問されました。
EUの居住許可証を持っていることを説明すると、確認後に搭乗OKとなりました。
ヨーロッパ在住の方は、居住許可証もすぐ提示できるように準備しておくと安心です。
前回の記事(グラーツ→コペンハーゲン編)はこちらです。
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人生初の「離陸後Uターン」
機内に乗り込み、いよいよ離陸です。

しかし、この時点で少し違和感がありました。
普段より加速時間が長い気がするのです。
「この飛行機、本当に飛べるのかな……。」
そんなことを考えているうちに、何とか離陸しました。
「まあ、飛んだから大丈夫か。」
そう安心したのも束の間。
離陸から5分ほど経った頃、機内アナウンスが流れます。
「機体に不具合が確認されたため、コペンハーゲンへ引き返します。」
さらに、
「ヌークへの到着は明日の朝になる可能性があります。」
という内容も聞こえてきました。
実は最初、このアナウンスを完全には聞き取れませんでした。
近くでは赤ちゃんが大泣きしていて、機内放送が途切れ途切れにしか聞こえなかったのです。
すると隣の席の男性が、
「今のアナウンス、何て言ってた?」
と話しかけてきました。
私が、
「引き返すって言っていたような……。」
と答えると、
「やっぱり?俺もそう聞こえた。まじか。」
二人で顔を見合わせることに。
その直後、飛行機は大きく旋回し、本当にコペンハーゲン空港へ戻っていきました。
離陸後に機体トラブルで引き返す。
人生で初めての経験でした。
代替便を手配
コペンハーゲンへ着陸後は、そのまま機内で約30分待機。
機長が地上スタッフと代替便について協議していたようです。
その後、再び機内アナウンス。
「本日19時発の代替便を手配しました。一度降機し、改めて搭乗してください。」
とのこと。
思っていたよりもずっとスムーズな対応で驚きました。
後から現地で聞いた話ですが、グリーンランド便では機材トラブルや天候による遅延・欠航は比較的よくあることだそうです。
もちろん毎回ではありませんが、日本国内線の感覚で乗ると驚くかもしれません。
そのため、グリーンランド旅行では移動日に予定を詰め込まないことをおすすめします。
数時間の遅延は十分起こり得ますし、場合によっては翌日便になることもあります。
改めてヌークへ出発
19時。
今度こそヌークへ向かいます。
今回の代替便は、Jettimeというデンマーク・コペンハーゲンに本社を置く航空会社が運航していました。
こちらも北欧路線ではよく利用される運航会社のようです。
サービスも特に問題なく、快適でした。
5時間のフライトと機内食
コペンハーゲンからヌークまでは約5時間。
グリーンランドは北アメリカ大陸寄りに位置しているため、ヨーロッパから見ると思っている以上に遠い場所です。
この便では機内食も提供されました。
メニューは、
- チキンソテー
- ポテト
- 温かいパン
- チョコブラウニー
という内容。



どれも美味しく、特に温かいパンが嬉しかったです。
「さっきのセブンイレブンのサンドイッチも温かかったらよかったのに……。」
なんて思いながら食べていました(笑)。
夜22時なのに、まだ明るい!
本来の到着予定は18時45分でしたが、代替便になったためヌークへ着いたのは22時頃。
かなり遅くなってしまいました。
ところが飛行機の窓から外を見ると……
まだ明るい。
「えっ、22時なのに?」
北極圏に近いグリーンランドでは、夏は日照時間が非常に長くなります。
そのため夜10時を過ぎても夕方のような明るさが残っています。
遅延で疲れていたはずなのに、この景色を見た瞬間、一気にテンションが上がりました。
ヌーク空港に到着

新しいヌーク空港はコンパクトながら、とてもきれいな空港でした。
待合スペースは1階にあり、搭乗ゲートは全部で6つ。
とはいえ、常時すべてを使うほど便数があるわけではなく、地方空港らしい落ち着いた雰囲気です。
待合スペースには、お土産店や軽食コーナーもあります。


実はあまり知られていませんが、3階にも待合スペースがあります。
こちらは利用者が少なく、とても静か。
飛行機を待つなら、3階のほうがゆったり過ごせるのでおすすめです。
空港から市街地まで歩いてみる
通常なら、ここでバスに乗って市街地へ向かいます。
しかし今回は、もともと「ハイキングも兼ねたい」と考えていたので、宿泊先まで歩くことにしました。

空港から市街地までは約6km。
大通り(Eqalugalinnguanut)沿いを歩くと、およそ1時間強です。
バスもありますが、市内各所を回りながら運行するため、思ったより時間がかかります。
また、SarfaannguitトンネルからQeqertanut通りへ抜けるルートを使うと、もう少し近道になります。

夜10時なのに子どもが遊んでいる
普通なら、夜10時に知らない土地を1時間以上歩くのは避けたいところです。
しかし、ここはヌーク。
夜10時でも空は明るく、子どもたちが普通に外で遊んでいました。
「本当に夜なの?」
と思うほど穏やかな雰囲気です。
おかげで、不安を感じることなく歩き始めることができました。
木が一本もない世界
歩いていて最初に驚いたのは、高い木がほとんどないことです。
グリーンランドでは樹木が育ちにくいため、岩肌がむき出しの景色が広がっています。

そのため見通しが非常によく、高台にある空港からは、これから向かうヌーク市街地がずっと見えています。
「まだ遠いなぁ。」
「あと少し。」
そんなふうにゴールを確認しながら歩けるので、不思議と疲れません。
途中には雪解け水が流れる小さな渓流もあり、まさに北極圏らしい景色。
ヨーロッパではなかなか見られない風景に、歩いているだけでも十分楽しい時間でした。
宿泊先「Vandrehuset 4」に到着
23時過ぎ、ようやく宿泊先のVandrehuset 4へ到着しました。

ここはホステルなので、トイレやキッチンは共用ですが、客室は個室になっているためプライバシーはしっかり確保されています。
グリーンランドは、物価が高い北欧の中でも特に高い地域として知られています。
そのためホステルでも一泊15,000円前後と決して安くはありません。
しかし、このホステルは管理が非常に行き届いていて、共用スペースは毎日スタッフが清掃しており、とても快適でした。
時計を見ると、もう23時を過ぎています。

それでも外はまだ薄明るいまま。
「本当に北の国へ来たんだな。」
そんなことを実感しながら、長かった一日を終えました。
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