はじめに
グラーツを代表する観光スポットといえば、シュロスベルグやハウプトプラッツがまず思い浮かびます。
でも、グラーツにはもうひとつ、ぜひ訪れてほしい場所があります。
それが、エッゲンベルグ城(Schloss Eggenberg)です。
「城」と聞くと、グラーツ中心部からかなり離れているように思えるかもしれませんが、実際にはとてもアクセスしやすい場所にあります。
しかも面白いのが、単なる観光地ではありません。
立派な宮殿がある一方で、広い庭園はグラーツ市民の憩いの場としても利用されています。
さらに城内には、黄金に輝く馬車や、中国の間、日本の間など、かなり興味深い展示があります。
そして日本人として特に気になったのが、なんと大阪城を描いた屏風です。
今回は、実際にエッゲンベルグ城へ行ってみた感想を中心に紹介します。
(当ブログの記事をまとめたポータルページはここです)
(オンラインショップを始めてみました。是非こちらからご覧になってください。)
Amazon.co.jp
あなたと一緒に作る海外旅行【トラベル・スタンダード・ジャパン】
エッゲンベルグ城へのアクセス
Hauptbahnhofからトラム1番線で行ける
エッゲンベルグ城は、グラーツ中央駅(Hauptbahnhof)からトラム1番線に乗って、西側へ向かいます。
Hauptbahnhofからトラムで約10分程度で、かなり気軽に行けます。
そのため、グラーツ市内から気軽に行ける観光スポットだと思います。
エッゲンベルグ城とは?

エッゲンベルグ城は、17世紀にエッゲンベルグ家によって建てられた宮殿です。
現在の建物は、当時の有力者だったハンス・ウルリヒ・フォン・エッゲンベルグ(Hans Ulrich von Eggenberg)が構想したものとして知られています。

その後、エッゲンベルグ家の歴史の中で整備が進められ、現在のような豪華な宮殿になっています。
特に面白いのが、この建物そのものに「世界観」が込められていること。
部屋の数や天井装飾などにも、当時の人々が考えた宇宙観や時間、世界の広がりが反映されています。
単純に「豪華なお城」というだけではなく、建物そのものがひとつの思想を表現しているような宮殿です。
そして2010年には、グラーツのエッゲンベルグ城がユネスコ世界遺産「グラーツ歴史地区」と関連する世界遺産として登録されています。
エッゲンベルグ公とは?
Johann AntonとHans Ulrich
エッゲンベルグ家を知るうえで重要なのが、
- Johann Anton von Eggenberg
- Hans Ulrich von Eggenberg
という2人です。
特に重要なのがHans Ulrich von Eggenberg。
彼は神聖ローマ皇帝フェルディナント2世の側近として政治的に大きな影響力を持った人物で、エッゲンベルグ家が大きく勢力を伸ばした時代を代表する人物です。
そのHans Ulrichが、自分たちの権力や世界観を象徴する場所として建設を進めたのが、現在のエッゲンベルグ城です。
一方、息子のJohann Anton von Eggenbergの時代にも宮殿の整備が進められ、現在の豪華な内装につながっています。

つまり、エッゲンベルグ城は単なる住居ではなく、エッゲンベルグ家の権力と世界観を見せるための宮殿だったわけです。
入場料金
2026年現在の公式料金は、以下のようになっています。
城内のプルンクルーム
大人:20ユーロ
子ども・青少年(6~18歳)は5ユーロ、19~25歳の学生などは10ユーロです。
重要なのは、城内のプルンクルームは自由に見て回る形式ではなく、ガイドツアーに参加して見学する方式だということ。
ツアーは約50分です。
つまり、20ユーロにはガイドツアーの料金も含まれています。
庭園だけなら?
大人:3ユーロ
庭園だけならかなりリーズナブルです。6~18歳は0.50ユーロ、6歳未満は無料です。
「城の中までは見なくてもいいけど、庭園を散歩したい」という場合でも利用できます。
ちなみに、城内のチケットには購入時から24時間、シュタイアーマルク州の複数のヨアネウム博物館に入場できる特典もあります。
金色の馬車がすごい
エッゲンベルグ城で個人的に印象に残ったもののひとつが、黄金に輝く馬車です。これが本当に金ピカ。
「豪華な馬車」という言葉だけでは足りないくらい、全身がきらびやかに装飾されています。

当時の貴族が実際にこういう馬車を使っていたのかと思うと、「移動するだけなのに、ここまでやるのか……」という感じです(笑)。
現代の感覚でいうと、超高級車をさらに何倍も派手にしたような存在でしょうか。エッゲンベルグ家の財力や権力を感じられる展示です。
城内には「世界の部屋」がある
エッゲンベルグ城の内部で面白いのが、部屋の構成です。
単純に、
「王様の部屋」
「寝室」
「食堂」
というだけではありません。
中国の間など、世界のさまざまな地域の名前を冠した部屋があり、それぞれに関連する絵画や装飾が施されています。
当時のヨーロッパの人々が、世界をどのように見ていたのかを知るうえでも興味深い空間です。
部屋を順番に見ていくと、「昔のヨーロッパの貴族は、世界をこういうふうに捉えていたのか」と感じる部分があります。



そして「日本の間」もある
日本人として特に気になるのが、日本の間です。
エッゲンベルグ城には、日本に関連する展示もあります。そして、ここでぜひ探してほしいのが、
「豊臣期大坂図屏風」です。

なんと、大阪城周辺の様子を描いた屏風が展示されています。
日本から遠く離れたオーストリアのグラーツで、大坂の風景を描いた作品を見ることになるとは思いませんでした。
ただし、かなり見逃しやすい
ところが、この大阪城の屏風、日本人だからといって、簡単に見つけられるとは限りません。
というのも、一般的にイメージする「屏風」の形でドーンと展示されているわけではありません。
作品は分割された状態で展示されていて、普通の絵画のように見えます。
さらに、その周辺にある中国関連の絵画なども雰囲気がかなり似ています。
そのため、事前に「ここに豊臣期大坂図屏風がある」と知っていないと、普通に通り過ぎてしまうと思います。
私も、「これ、日本の作品なの?」と意識して見ないと、かなり分かりにくい展示だと思いました。
エッゲンベルグ城へ行くなら、日本人としてはぜひ事前に場所をチェックしておくことをおすすめします。
庭園がかなり気持ちいい
エッゲンベルグ城のもうひとつの魅力が、広い庭園です。城だけ見て帰るのは少しもったいないと思います。

庭園にはベンチもたくさんあり、観光客だけでなく、グラーツ市民が普通にくつろいでいます。
本を読んでいる人もいれば、座って話している人もいます。
つまり、「観光地」であると同時に、市民の憩いの場でもあるわけです。
ピクニックにも良さそう
ベンチも多いので、天気が良ければピクニックにも向いています。
宮殿を見学したあとに庭園でゆっくりする、という過ごし方もかなり良さそうです。
グラーツ中心部の観光地とは違って、時間の流れが少しゆっくりしている感じがあります。
そして、なんと孔雀がいる
庭園を歩いていると、なんと、孔雀を見ることができます。

これがまた城の庭園によく似合っています。
普通の公園だったら、「お、孔雀だ!」となるところですが、エッゲンベルグ城の庭園だと、
「まあ、城だし孔雀くらいいるか……」という妙な納得感があります(笑)。
運が良ければ、かなり近くで見ることもできます。
子ども連れにもおすすめ
さらに庭園の端のほうには、遊具のある公園もあります。
そのため、エッゲンベルグ城は大人が歴史や建築を見るだけの場所ではありません。
子どもは、
- 庭園を走り回る
- 孔雀を見る
- 遊具で遊ぶ
という過ごし方もできます。
城内の見学に興味がない子どもと一緒でも、比較的行きやすいスポットだと思います。
日本人目線で感じたエッゲンベルグ城
エッゲンベルグ城は、シュロスベルグやハウプトプラッツとは少し違ったグラーツの魅力を感じられる場所でした。
中心部の観光地が「グラーツの街を見る場所」だとすると、エッゲンベルグ城は、グラーツの歴史と貴族文化を感じる場所という印象です。
特に面白かったのが、やはり日本の間。まさかグラーツの宮殿で大阪城を描いた屏風を見ることになるとは思いませんでした。
ただし、展示方法がかなり分かりにくいので、これは予備知識がないと本当に見逃す可能性があります。
(当ブログの記事をまとめたポータルページはここです)
(オンラインショップを始めてみました。是非こちらからご覧になってください。)
Amazon.co.jp
あなたと一緒に作る海外旅行【トラベル・スタンダード・ジャパン】
総括
グラーツのエッゲンベルグ城は、中心部からトラムで簡単に行けるにもかかわらず、かなり本格的な宮殿を見ることができる観光スポットです。
特徴をまとめると、
- Hauptbahnhofからトラム1番線で約10分+徒歩約10分
- グラーツを代表する歴史スポット
- エッゲンベルグ家の豪華な宮殿
- 黄金に輝く馬車がある
- 世界各地域をテーマにした部屋がある
- 日本の間には「豊臣期大坂図屏風」もある
- 庭園は市民の憩いの場
- 孔雀を見ることができる
- 遊具のある公園もある
- ピクニックにも向いている
- 城内は大人20ユーロ、庭園だけなら大人3ユーロ(2026年現在)
という感じです。
個人的には、城内の歴史や美術を見るだけでなく、庭園でのんびり過ごせるところがエッゲンベルグ城の魅力だと思いました。
グラーツ観光というとシュロスベルグや旧市街に目が行きがちですが、少し時間に余裕があるなら、ぜひトラム1番線に乗ってエッゲンベルグ城まで足を延ばしてみてください。
そして日本人なら、「日本の間」と「豊臣期大坂図屏風」は忘れずにチェックしておきましょう。

コメント