はじめに
オーストリアの夏を過ごしていると、かなりの頻度で見かける虫がいます。
それが、ヨーロッパスズメバチ(European hornet)です。

「スズメバチ」と聞くと、日本人ならあの巨大で攻撃的な危険なハチを思い浮かべると思います。
私も最初はそうでした。
ところが、オーストリアで見かけるスズメバチは、日本のスズメバチとはかなり印象が違います。
というより、私はつい最近まで、「ちょっと大きめのアブかな?」と思っていたくらいです。
もちろんスズメバチなので刺される可能性はありますが、普段の生活で見かける限りではかなりおとなしく、手で追い払っても攻撃してくることはほとんどありません。
その代わり、とにかく数が多い。そして、食べ物への執着がものすごい。
今回は、そんなオーストリアの夏の風物詩ともいえるヨーロッパスズメバチについて、実際に生活してみて感じたことを紹介します。
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ヨーロッパスズメバチとは?
日本のスズメバチとはかなり印象が違う
ヨーロッパスズメバチは、学名をVespa crabroというスズメバチの仲間です。
日本にも生息している種類ですが、ヨーロッパでは比較的身近な存在として知られています。
体長はおおむね、1~2cm程度です。
もちろん個体差がありますが、日本でよくイメージする大型のスズメバチと比べると、かなり小さく感じます。
私の感覚では、「ちょっと大きめのアブ」くらい。
遠目から見ると、最初はスズメバチだと気づかないこともあります。
見た目はちゃんとスズメバチ
とはいえ、近くで見るとやはりスズメバチ。
黄色と黒っぽい色の体をしていて、飛び方もかなり力強いです。
ただ、実際に生活の中で遭遇してみると、その行動は日本で抱いていたスズメバチのイメージとはかなり違いました。
とにかく攻撃的ではない
手で払っても襲ってこない
ヨーロッパスズメバチで一番驚いたのが、意外と攻撃してこないことです。
例えば屋外で食事をしていると、食べ物や飲み物を狙って飛んできます。
そんなときは、「こっちに来ないで!」という感じで手で払います。
それでも、普通はそのまま飛び去っていくだけ。
日本のスズメバチを想像していると、「えっ、こんなに近くで払って大丈夫なの?」と思うくらいです。
もちろん巣を刺激したり、手で捕まえたりすれば刺される可能性はあります。
「おとなしい=安全」ではないので、その点は注意が必要です。
その代わり、食べ物への執着がすごい
ヨーロッパスズメバチの困ったところは、攻撃性よりもむしろ食べ物への執着です。
とにかく食べ物や甘い飲み物に寄ってきます。
感覚としては、「スズメバチというより、ハエでは?」と思うくらい。
屋外で食事をしていると、
- 食べ物
- ジュース
- ビール
- ワイン
- 甘い飲み物
などに近づいてきます。
一度見つけると、かなりしつこく周囲を飛び回ります。
夏のテラス席ではおなじみ
オーストリアでは、夏になるとレストランやカフェのテラス席で食事をするのが一般的です。
天気が良い日は、「せっかくだから外で食べよう」となります。
しかし、外で食べるということは当然、ハエ+ヨーロッパスズメバチとの戦いになります。
スズメバチが飛んできても、現地の人は比較的慣れているようで、手で払ったり、しばらく追いかけっこをしたりしています。
最初は私も怖かったのですが、何度も経験しているうちに、「また来たか……」くらいの感覚になってきました。
飲み物に入ってしまうことも
ただし、ここは本当に注意したほうがいいところです。
ヨーロッパスズメバチは、飲み物の甘い匂いにも寄ってきます。
そして、気づかないうちに飲み物の中に入っていることがあります。
私自身、飲み物の中でもがいているスズメバチを見たことがあります。
そのため、屋外で飲み物を置いているときは、飲む前に一度確認する癖をつけたほうがいいと思います。
特に怖いのが、飲み物と一緒に口の中に入ってしまうケース。
口の中を刺されると通常の刺傷よりも深刻になる可能性があるため、「いつもの飲み物だから大丈夫」と油断しないことが大切です。
BBQをすると大量にやってくる
オーストリアの夏といえば、BBQもよくあります。
そしてBBQをすると、当然ながら肉やソーセージなどの食べ物の匂いがします。
すると、どこからともなくヨーロッパスズメバチが集まってきます。
1匹、2匹ならまだいいのですが、場合によってはかなりの数が周囲を飛び回ります。
食べ物を狙って飛んできて、「ちょっと分けてください」と言わんばかりに周囲をうろうろしています。
こちらとしては、「いや、あなたたちの分は用意していません」と言いたくなります。
雨が降ると巣に戻るらしい
面白い習性として、ヨーロッパスズメバチは雨が降ると巣に戻るといわれています。
そのため、屋外でスズメバチが大量に飛んできたとき、霧吹きなどで水をまくと、雨と勘違いして巣へ戻ろうとすることがあるそうです。
もちろん、わざわざスズメバチを刺激するような行動はおすすめしません。
ただ、「雨が降ってくると急にいなくなる」というのは、実際に見ていると面白いところです。
食べ物をゲットすると巣へ帰っていく
ヨーロッパスズメバチは、食べ物を探して飛び回っています。
そして何か食べ物を見つけると、それを持って巣へ戻っていきます。
そのため、こちらが追い払っても、「また戻ってきた!」ということがよくあります。
一度見つけた食べ物がかなり魅力的だったのでしょう。
このあたりも、ハエのような貪欲さを感じるところです。
屋外だけならまだいいのですが……
家の中にも普通に入ってくる
個人的に一番困るのが、室内にも入ってくることです。
窓を開けていると、いつの間にか部屋の中を飛んでいます。
しかも、「スズメバチだから絶対に近づきたくない」
と思っているこちらをよそに、本人はかなり普通のテンションで部屋の中を飛び回っています。
ハエと同じくらいの頻度で入ってくるので、「いや、ここは家なんだから遠慮してくれ……」と思ってしまいます。
屋外ならまだ「夏だから仕方ない」と思えますが、室内にまで入ってくると、さすがに困ります。
ヨーロッパでは保護されている?
ヨーロッパスズメバチについて調べると、保護対象として扱われている地域があることも分かります。
特にドイツなどでは、ヨーロッパスズメバチの巣や個体について、一定の保護規制があります。
オーストリアについても自然保護関連の規制が地域ごとに異なるため、巣を見つけたからといって自己判断で破壊するのではなく、自治体などに確認するのが安全です。
つまり、「スズメバチだから巣を見つけたら即破壊!」という扱いではないわけです。
とはいえ実際の生活では……
ここがちょっと面白いところ。
法律上・自然保護上の扱いとは別に、日常生活では、「家の中にスズメバチが入ってきた!」となると、やはり普通の害虫と同じように扱われることもあります。
実際にはハエと同じように追い払ったり、場合によってはハエ叩きなどで駆除してしまう人もいるようです。
自然保護と生活上の困りごとの間には、なかなか難しいところがあります。
日本のスズメバチとの違い
日本人からすると、この違いはかなり大きいです。
| ヨーロッパスズメバチ | 日本でイメージするスズメバチ | |
|---|---|---|
| 大きさ | 約1~2cm程度 | 種類によってかなり大型 |
| 攻撃性 | 比較的おとなしい | 種類によって非常に攻撃的 |
| 人への接近 | 食べ物目的で寄ってくる | 巣の防衛などで攻撃することも |
| 屋外 | よく見かける | 地域・季節による |
| 食べ物への執着 | かなり強い | 種類による |
| 室内への侵入 | 窓から普通に入ってくることがある | 状況による |
もちろん「日本のスズメバチ」といっても種類によって性格は違います。
ただ、私自身がオーストリアで感じた印象としては、
「危険な猛獣」というより「ものすごく食欲旺盛なハチ」
という感じです。
オーストリアの夏の風物詩?
最初は、「なんでこんなにスズメバチがいるんだ……」と驚きました。
しかし、夏を過ごしていると、テラス席やBBQ、庭などで毎日のように遭遇します。
そのうち、「またスズメバチが来た」くらいの感覚になってきます。
日本では「スズメバチ=危険」というイメージが非常に強いので、オーストリアで最初に見たときにはかなり戸惑いました。
でも実際には、日本でイメージするスズメバチとはかなり性格が違います。
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総括
オーストリアの夏に頻繁に見かけるヨーロッパスズメバチ。
特徴をまとめると、
- 体長はおおむね1~2cm程度
- 日本でイメージするスズメバチより小さい
- 比較的おとなしく、手で払っても攻撃してこないことが多い
- その代わり食べ物への執着がものすごい
- テラス席やBBQに頻繁にやってくる
- 飲み物に入ることがあるので要注意
- 家の中にも普通に侵入してくる
- 地域によっては保護対象として扱われている
という感じです。
個人的には、「日本のスズメバチとは全然違うじゃん!」というのが一番の感想でした。
とはいえ、あくまでスズメバチなので、むやみに触ったり捕まえたりするのは危険です。
「比較的おとなしい」とはいっても、刺激すれば刺す可能性があります。
オーストリアの夏を過ごすなら、
「近づいてきたら慌てず追い払い、飲み物には注意する」
くらいの距離感で付き合うのがよさそうです。

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